先日YAMAHAのHPH-MT8というモニターヘッドホンを購入しました。
今回は、10年以上使用しているSONYの定番スタジオヘッドホンであるMDR-900STと少し比較しながらレビューしてみたいと思います。
YAMAHA HPH-MT8 レビュー
デザインは、ここ最近のSHUREのモニターヘッドホンSRH-840にかなり似ていて頭頂部、イヤーパッドにクッション性を持たせた仕様となっています。
イヤーパッドは着脱式で痛んだら取り換えることが可能。また、ケーブルも同様に着脱式なので断線したら取り換えることが出来るので末永く使用することができます。
装着感
SONYのMDR-900STはずっと装着していると、耳たぶや耳の端が痛くなってきたり、頭頂部にクッション性がないことで同様に痛くなってくることがありました。
それがHPH-MT8は頭頂部もイヤーパッドも共に分厚く、ストレスがありません。装着感には雲泥の差があります。
また、側圧も程よく強めですが、イヤーパッドのクッション性が良いことに加え、大き目で耳がすっぽり収まるため、長時間の装着でも疲労感が少ないと思います。
サウンド面
ヘッドホンにはエージング作業がつきものというイメージはあるかと思いますが、その必要はないようです。音の傾向は同じモニターヘッドホンである900STと似ているのはいわずもがなですが、確実に900STよりも優れていることが一聴して分かります。
ファーストインプレッションで感じたのは、定位がバシッと決まっているのですが、その決まり方というのが、本当に何も味付けのしていない素の音がイヤーパッドに寸分狂わず張り付いたような音で聞こえてくるのです。
そして、音の解像度に関しても、大体エージング前のヘッドホンは音が少し硬いところがあるのがお決まりではありますが、900STよりも若干高いと感じました。それだけ音の明瞭感、分離感ともに素晴らしいものがありますね。
各エフェクトのかかり具合も見通しが良く、ドライな音から残響音の端の端まで手に取るようにわかるのには感心しました。
過去にハイエンドと呼ばれるヘッドホンやイヤホンも所有していましたが、いくら解像度が高いと言っても、こういった「見える」聞こえ方はしないんですよね。音は良いし見通しも良いし、音場も広いはずなのに、これは不思議ですね。
どこかのレビューで、YAMAHAのMSP5のモニターと同じ定位感で聴こえる、というのを見ましたが、私もそれ、すごくわかります。今は所有してませんが、私も昔MSP5を使ってたんですよね。本当にモニタースピーカーで聞いているのと遜色ないほど定位と解像度が素晴らしいです。
総括
装着感もサウンド面も900STとHPH-MT8との比較では、圧倒的にHPH-MT8の圧勝です。
そりゃモニターヘッドホンも15年、20年も経てばそれくらいの進化はあるだろwって話なんですけど。
でも私個人的には日本の音響メーカーって海外メーカーに比べると音が悪くてあまり好きじゃないんですけど、YAMAHAだけは昔から一目置いているんですよね。ギターで言えばパシフィカが安いのに全てにおいてコスパが高いと昔からいわれているのは有名ですし、モニタースピーカーもMSP5など音も定位も抜群に良かったりetc...挙げようとすればきりがないですが、兎に角、YAMAHAなら裏切らない、みたいなイメージがずっと私の頭の中にあります。
今回購入してみたHPH-MT8も見事に期待通りに素晴らしいヘッドホンでした。
モニターヘッドホンではありますが、普通にAppleMusicも聴いてみて全然使える音です。むしろ解像度が高くていつもよりも違う見え方(聴こえ方)が出来る分、面白いと思いました。
最後に仕様です。
<仕様>
■形式:密閉型、オーバーイヤー
■再生周波数特性:15~28,000Hz
■インピーダンス(1kHz):37Ω
■最大入力:1,600mW
■出力音圧レベル(1kHz):102dB SPL/mW
■ドライバー:φ45mm、ダイナミック、CCAWボイスコイル
■ケーブル:3.0m ストレート(脱着式)、1.2mコイル(脱着式)
■端子:3.5mmステレオミニプラグ(6.3mm ステレオ標準変換プラグ)
■寸法(W×H×D、ケーブル、プラグを含まず):161 × 214 × 89 mm
■質量:350g (ケーブル、プラグを含まず)
■付属品:6.3mm ステレオ標準プラグ変換アダプター、3.0m ストレートケーブル(脱着式)、1.2mコイルケーブル(脱着式)、キャリングバッグ(合皮)