日本の企業では新卒入社の人材が辞めてしまうということが
とても問題視されています。
当然ですが、新卒入社する人たちは社会人としての知識や経験が
ゼロからのスタートになりますので、企業が新卒者を新たに採用した場合、
しばらくの間は注意深く、
採用された人達の精神状態を観察することが大事になります。
大きな期待と不安を抱えながら入社した新卒社員は、
ちょっとしたことに動揺して心に疲労を蓄積してしまいます。
自分たちの過去を思い出せば、
入社してからの1週間が「もの凄く短い」と感じた経験が少なからずあるはずです。
こういった気持ちを忘れてしまった人達は
新入社員に厳しく当たってしまうことも多々あります。
社会で働いたことが全くない新卒採用者も少なくありませんので、
研修を施すだけでなく、精神面のケアも大事になってきます。
精神面の配慮が全くなく、研修の時からハードな環境で仕事を続けていると、
思わぬ問題が起きてしまうことも少なくありません。
始めに手を抜かないようにと、立て続けに大変な思いをさせて研修をしていると、
1年と断たずにリタイアする新入社員も出てきます。
転職してきた人とは異なり、新卒者は会社で仕事をした経験がありませんから、
精神面のフォローについても会社のほうで配慮するようにすることが重要となります。
しかし、甘やかすことがいいのではないことも確かです。
人を育てる立場にいる人たちが「やさしさ」と「甘え」を一緒に考えてしまうと、
社会人としての責任感が得られず、指示を待つだけの人材に育ってしまいます。
また、気軽に会社で悩みを打ち明けられる相手がいると、
採用後も仕事を続ける意欲を持っていられます。
心の疲れを癒やすためには、
抱えていることを信頼できる人に話してしまうことが効果的だからです。
新卒の社員自身に気づかれないようにしながら、
相談相手を決めておくなどの方法も効果があります。
相談ができる相手としては、
直接指導している上司にならないようにしましょう。
率直に自分の考えを話せて、
何でも悩みが話せるような間柄になるには、
直属の上司では関係が密になりすぎて、逆によくありません。
どうして働くのか、仕事に何を期待しているかは、
時流の変遷と共に変化するものですので、
社員へのフォローの入れ方も変わるものです。
このような取り組みを常日頃から行える環境づくりや、
社内制度などの見直しを検討する風習がある企業には
必然的にいい人材が増えるようになります。