現代貨幣理論MMTから税の役割を理解する
現代貨幣理論(MMT)は、経済における税の役割についてユニークな視点を提供しています。
一般に信じられていることとは異なり、実は税金は政府の収入源ではないのです。
それどころか、税金には他にもいくつかの重要な役割があるのです。
今回はこの興味深いトピックを掘り下げ、税の真の目的を探ってみることにしましょう。
税金についての誤解
私たちの多くは小学校の頃から、税金は公共サービスのために国民から徴収されるものだと教えられてきました。
私たちの税金は、道路を建設し、教師の給料を支払い、その他の必要不可欠なサービスを提供するために使われていると信じています。しかし、これはまったく正確ではないのです。
実際には、税金は何かに使われるために徴収されるのではなく、単に政府に徴収されるだけだったのです。
これは一般的な考えに反するように聞こえるかもしれませんが、MMTにおける税の役割を理解する上で重要な概念なんです。
税の本当の役割(スペンディングファーストとは?)
では、税金が主に公共サービスを賄うためのものではないとしたら、その目的は何なのでしょう??
税金の最も重要な役割は、物価を抑えることにあります。政府は中央銀行が作ったお金を使った後、国民から税金を徴収します。
このプロセスは "スペンディングファースト "として知られています。
この概念を説明するために、例を考えてみましょう。
- 大邸宅に住み、子供が何人もいる裕福な投資家がいるとする。
- この投資家は名刺を作り、家事を手伝ってもらう代わりに子供たちに提供する。
- 月末になると、子供たちはそれぞれ30枚の名刺を父親に渡さなければならない。
- 投資家は好きなだけ名刺を作ることができ、名刺を回収する前に使い切ってしまう。
これは「スペンディングファースト」をシンプルに表現したものです。
税金の4つの役割
税金は経済において主に4つの役割を果たしています。
- 経済調整: 税金、特に所得税のような累進課税は、経済を安定させるのに役立つ。経済の過熱やバブルの発生を防ぐ。不況時には、累進課税によって所得の低い人々への負担が自動的に軽減され、経済が回復しやすくなる。
- 所得の再分配: 税金は社会の不平等を是正するのに役立つ。高所得者からは多く徴収し、低所得者からは少なく徴収することで、富の分配のバランスをとる。
- 行動調整: 税金は、特定の行動を奨励したり抑制したりするためのツールとして利用できる。例えば、タバコ税はその健康上のリスクから喫煙を抑制するために課される。
- 通貨の有効性: 税金はその国の通貨を証明するものである。税金はその国の通貨で支払われなければならないため、その国の通貨の価値と受け入れが強化される。
政府支出と税金の関係
現実には、政府支出は税金の源泉なのです。
例えば、公立学校の教師は政府から給料を受け取っていますよね。
彼らの収入が増えれば、より多くの税金を納めなければならず、政府の税収増につながります。
したがって、政府の支出が税金の源泉であり、その逆ではない、という方がより正確なんです。
高い税収の意味
税収が多いことは必ずしも良いことではありません。
税金はもともと、国民からお金を集めることでバブルを防ぐために作られたもの。
詳しくいうと、
税金が経済の過熱を抑制する役割を果たすという意味です。具体的には、税金は経済活動を調節し、インフレーションを抑える役割を果たします。
経済が過熱し、バブルが形成されると、物価が急速に上昇し、資産価格が適正な価値を大きく上回る可能性があります。これは、人々が過度に消費したり、投資したりすると、需要が供給を大きく上回り、物価が上昇するからです。
このような状況は持続可能ではなく、バブルが破裂すると深刻な経済的なダメージを引き起こす可能性があります。
上述しましたが、税金はこのような過熱を防ぐためのツールとして機能します。
例えば、所得税は所得が高いほど税率が高くなる累進課税を採用しています。
これにより、所得が高い人々がより多くの税金を支払うことになり、その結果、彼らの消費が抑制され、経済の過熱が防がれます。
また、税金は企業や個人が投資や消費を適度に抑えるインセンティブを提供することで、バブルの形成を防ぐ役割も果たします。
で、逆に不況時に増税されれば、多くの人々に苦難をもたらすことになるでしょう。
従って、税金の目的は単に収入を得ることではなく、経済における他のいくつかの重要な役割を果たすことであることを理解することが重要なのです。
結論
結論として、税金の真の役割を理解することは、経済政策や経済の機能に新たな視点を与えることができます。
税金は単に公共サービスを賄うためだけのものではなく、経済調整、所得再分配、行動調整、通貨検証のためのツールであることを忘れてはいけません。
今回の記事はYOUTUBEにて
「君たちはまだ長いトンネルの中」公開記念!?として出しました。
絶対にテレビではやらない映画ですが、一人でも多くの方に見てもらいたいです。
総理や国会議員が言う「財源が~」が如何に出鱈目か分かるはず!!!