「最近の株安で積立投資を続けるべきか迷っています……」
こんな不安の声が多く聞かれるようになってきました。
実際、ニュースでは「世界的株安」「景気後退の懸念」といった不安をあおるワードが飛び交っています。含み損が増えると、「このまま投資を続けていていいのか?」と疑問に感じる方も多いでしょう。
しかし、積立投資はむしろ下落時にこそその力を発揮する投資法なのです。
今回の記事では、積立投資を続けるべき5つの理由について、実際のデータや歴史的な相場の例を交えて詳しく解説していきます。
読み終わる頃には、不安が少し和らぎ、これからも積立投資を続けていこうという気持ちになれるはずです。
- 理由1:株価が安い=たくさん買える【ドルコスト平均法の効果】
- 理由2:プロでもタイミングは読めない【タイミング投資の罠】
- 理由3:積立停止=下落後の回復の利益を逃す
- 理由4:積立は「時間が最大の武器」になる
- 理由5:過去の相場もすべて回復してきた
- 【まとめ】
理由1:株価が安い=たくさん買える【ドルコスト平均法の効果】
積立投資は「ドルコスト平均法」と呼ばれる手法を使います。これは、価格が高いときには少なく、価格が安いときには多く買うことで、平均取得価格を平準化する考え方です。
例えば、以下のようなケースを見てみましょう。
例:1万円ずつ毎月投資した場合
月 | 株価 | 購入数(口数) | 累計投資額 | 累計口数 | 平均取得単価 |
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1月 | 100円 | 100株 | 10,000円 | 100株 | 100円 |
2月 | 50円 | 200株 | 20,000円 | 300株 | 66.6円 |
3月 | 200円 | 50株 | 30,000円 | 350株 | 85.7円 |
この例では、株価は大きく変動しましたが、結果的に平均購入単価は85.7円。現在の株価が200円だとすれば、評価額は350株 × 200円 = 70,000円となり、投資額30,000円に対して40,000円の含み益となります。
つまり、下がったときにしっかり仕込めることが、将来の利益につながるのです。これがドルコスト平均法の強みです。
理由2:プロでもタイミングは読めない【タイミング投資の罠】
「今はやめておこう」「もう少し下がってから再開しよう」と思ってしまう気持ち、よくわかります。しかし、それは“タイミング投資”と呼ばれるもので、実は非常に難しい方法です。
株式市場では、底値や天井を正確に予測するのは、プロの投資家であっても至難の業です。
感情に流されて「今は危ないから現金にしよう」と判断してしまうと、結果として安く買えるタイミングを逃し、上昇してから買い戻すことになってしまいます。
例:2008年のリーマンショック時
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2008年10月、日経平均株価は一時7,000円台まで暴落しました。
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多くの投資家が恐怖から積立を停止したり、売却してしまいました。
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しかし、その後市場はゆっくりと回復し、2021年には30,000円台を超えるまで成長。
あのとき、積立をやめずに続けた人は、安値で多くの株式を買い続けることができたため、資産は数倍に増えたというケースも珍しくありません。
理由3:積立停止=下落後の回復の利益を逃す
積立投資を途中でやめるということは、「これ以上損したくない」という心理によるものが多いです。しかし、やめた時点で保有している資産を売却してしまえば、その時点で損失は確定してしまいます。
例:途中でやめたAさん vs 続けたBさん
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Aさん:2008年の暴落時に積立を停止。2012年に再開。
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Bさん:2008年以降も積立を継続。
→ 結果:Aさんは株価が回復してから再開したため、購入単価が高くなり、資産の増加は限定的。Bさんは低い価格帯で買い続けたため、回復時に大きな利益を得られました。
このように、下落のタイミングでやめてしまうと、回復時の“旨味”を逃すことになります。
理由4:積立は「時間が最大の武器」になる
積立投資は「時間」を味方にする方法です。一括投資と比べ、時間を分散させることでリスクを軽減できます。
また、価格が上下しても、平均取得単価が平準化されるため、結果的に長期では大きなリターンが期待できます。
20年、30年スパンでの成長
米国S&P500や全世界株式などのインデックスは、短期的には大きく変動しますが、長期的には右肩上がりで成長しています。
例えば、1980年代から積立を続けていた人は、2020年代には数十倍の資産を手に入れているケースも多いです。
理由5:過去の相場もすべて回復してきた
歴史を振り返れば、暴落やクラッシュは何度も起きていますが、その度に市場は回復し、成長してきました。
例:主要な暴落とその回復年
暴落の年 | 原因 | 株価回復までの年数 |
2000年 | ITバブル崩壊 | 約6年 |
2008年 | リーマンショック | 約5年 |
2020年 | コロナショック | 約1.5年 |
過去の例を見てもわかる通り、時間はかかっても、株価は必ずといっていいほど回復してきました。大切なのは、**その回復を待てるだけの「継続力」**です。
【まとめ】
世界的な株安に直面すると、どうしても不安になりますよね。しかし、積立投資の本質は「短期の上下ではなく、長期で育てること」にあります。
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安く買えるチャンスを逃さない
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タイミング投資は難易度が高い
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やめると回復の果実を逃す
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時間をかけることでリスクを抑えられる
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歴史がそれを証明している
だからこそ、今こそ落ち着いて、これまで通り積立を続けていくことが最善の選択だと思います。